AIで営業分析を始める前に、確認すべきことがある。
複数年の業績データが、CRMに残っているか?
データがなければ、AIは分析できない。今回はSalesforceに蓄積した受注・失注を含む売上データを、MCP経由でAIへつないだ。さらにGoogle Analytics 4(GA4)のデータを組み合わせ、どの流入経路が問い合わせ、商談、受注につながったのかを分析した。
以前は、複数年の営業データを横断するために、表計算ソフトで集計表を作るか、専門のコンサルタントへ依頼する必要があった。今回は日本語で質問するだけで、年度比較、業界別の増減、受注と失注の傾向まで掘り下げた。
きれいなレポートを作るだけでは意味がない。分析結果から、次に何をするかを決める。それがAI分析の目的だ。
Salesforceだけでは分からないこと
Salesforceには、顧客、商談、見積、受注・失注など営業活動の結果が残る。ここから、どの業界で売上が増えたか、どの案件が長期化しているか、受注率に変化がないかを確認できる。
ただしSalesforceだけでは、その顧客がどのページを見て問い合わせたのか、検索や広告など、どの経路から来たのかまでは分からない。そこでGA4のサイト流入データと組み合わせる。
営業結果とWeb上の行動をつなげると、「問い合わせは多いが受注につながっていない経路」や「受注効率は高いのに流入が減っている分野」が見える。
AIとの対話で見つけた確認ポイント
今回の分析では、単純な売上ランキングではなく、変化と異常値を見た。
- 受注が伸びているのに検索露出が弱い業界
- 受注効率は高いのにサイト流入が減っている経路
- 問い合わせから受注まで計測できていない箇所
- 特定業界だけで増えている受注・失注パターン
- 過去の勝ちパターンを別業界へ展開できる可能性
平均値だけを見れば、こうした変化は埋もれる。「なぜこの業界だけ伸びたのか」「同じ失注理由が別の業界でも増えていないか」とAIへ問う。そこから、次に確認すべきデータと仮説が広がる。

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分析結果を施策へ変える
分析後は、業界別ランディングページの新設、既存ページのSEO強化、減少している流入経路の立て直し、GA4のキーイベント設定まで、実行する施策へ落とし込んだ。
AIが出した提案を、そのまま実行してはいけない。データの欠損、入力ルールの違い、営業担当者ごとの記録差を確認し、現場の状況と照らし合わせる。AIは仮説を作る速度を上げる。最終判断は経営者や担当者が持つ。

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データを残すことは将来への投資
毎年の売上を別々のExcelへ保存すれば、その年の集計はできる。しかし、会社が数年間でどこに勝ち、どこで負けてきたのかは追えない。
受注・失注、顧客とのやり取り、業界、流入経路をCRMやWebデータベースへ継続的に残す。そうすれば、AIは数年分を横断して分析できる。最新AIを導入する前に、AIが読める形で業務データを蓄積する。
製造業のAI活用は、文章や資料を作る段階から、実データで営業・集客を判断する段階へ進んだ。分析レポートを作るだけでは経営は変わらない。次の一手を決め、実行までつなげて初めて、AIが経営に効く。
