
2006年にIT会社を法人化し、製造業のホームページを作らせてもらう仕事を続けてきた。
その中で、一社だけ、ずば抜けてV字回復している会社があった。
この記事では、その会社の変化に気づいたことをきっかけに、立て直しの専門家と出会い、弊社の金属加工会社を立て直してきた経緯をまとめる。会社の経営に悩んでいる方に、何か一つでも参考になればうれしい。
V字回復の裏に、凄腕の立て直し屋がいた
話を聞くと、裏で凄腕の立て直し屋が動いていた。
当時、弊社の金属加工会社も苦しい時期にあった。赤字が続き、腕のある職人にも旧式の機械しか使わせてあげられなかった。
迷わず頭を下げに行った。
「うちにも紹介してください」
その社長は奥様と一緒に、真剣に話を聞いてくださった。そして「あなたなら」と、快く引き受けてくださった。
その立て直し屋が、今の弊社の顧問税理士だ。
一緒に銀行を回り、会社にお金が残る形を作った
給料もろくに払えなかった時期から、あらたな融資を受けられるよう一緒に銀行を回ってくれた。
会社にお金が残る形を考え、経営層と社員がいがみ合わないよう、間に入ってくれた。数字の立て直しだけでなく、人の関係まで含めて会社を整えてくれた。
会社が苦しい時は、経営者も社員も余裕がなくなり、お互いにぶつかりやすくなる。そこに信頼できる第三者が入ってくれたことは、会社にとって大きな支えになった。
立て直しで実際に変えたこと
立て直しは、一つの施策で一気に進んだわけではない。5年ほどかけて、次のことに順番に取り組んだ。
- 赤字を止める
- 融資を受けられる決算書を作る
- 融資を受けられる銀行に変える
- 利益の出るお客様へ取引構成を変える
- 仕入先を見直す
- 補助金を、小さな額から段階的に活用する
その先に、8,800万円の門型マシニングセンタの導入があった。
年商は最悪期の5倍、社員の給与は倍に
その結果、年商は最悪だった時期の5倍になった。社員の給与は倍になった。
今では、メインバンクの展示会で代表企業に選ばれている。
給与を上げられたのは、投資の順番を守ってきたからだと考えている。まず返済、次に稼げる機械、稼げるようになったら給与、そして働く環境。今年はようやく、工場に空調を入れることもできた。その話は「利益を生まない投資は最後に。断熱してから入れた500万円の工場空調」に書いた。
立て直せる人に、自分から頭を下げに行く
振り返ると、会社を立て直す一番の近道は、自分で全てを解決しようとすることではなかった。立て直せる人を見つけ、自分から頭を下げに行くことだった。
経営者は、苦しい時ほど一人で抱え込みやすい。弱みを見せたくない気持ちもある。しかし、財務、銀行との関係、社内の調整は、経験のある専門家と組むことで進み方が大きく変わる。
ホームページ制作の仕事が、出会いのきっかけだった
あの会社の変化に気づけたのは、IT会社としてホームページ制作の仕事で多くの製造業を見てきたからだ。
2004年ごろからホームページとSEOを手がけ、製造業のWeb集客に関わってきた。その経緯は「2004年から自社でHPとSEOを続けて分かった、営業マンのいない町工場の集客」にまとめている。2つの会社を経営していたことが、思わぬところで本業を立て直すきっかけになった。
会社の立て直しを考える経営者へ
最後に、今回の経験から伝えたいことを整理しておく。
- 結果を出している会社の裏に、誰がいるかを見る
- 必要な人が見つかったら、自分から頼みに行く
- 数字だけでなく、銀行や社員との関係まで一緒に整える
- 投資は、返済・稼ぐ力・給与・働く環境の順番を守る
- 一つの施策ではなく、数年単位で順番に積み上げる
気づいた時に迷わず動けたことが、今の会社につながっている。苦しい時期に頭を下げに行ったあの日が、立て直しの本当の始まりだった。
利益を生まない投資を最後に回した順番は「利益を生まない投資は最後に。断熱してから入れた500万円の工場空調が、品質の説明になった」で書いている。
取引構成を一社・一業界に偏らせない考え方は「門幅3000mm超の設備22台を4社・4県で確保。不景気から生まれた町工場のBCP」でも紹介している。
