営業会議を始める前に、確認すべきことがある。
案件の現在地を、誰かの記憶に頼っていないか?
専任営業がいない製造業では、見積、顧客対応、現場確認を複数の担当者が兼務する。案件数が増えるほど、「見積を提出したか」「外注見積を待っているのか」「顧客からの返答待ちなのか」が分からなくなる。
記憶に頼る案件管理は、必ず止まる。担当者が忙しいほど、対応が必要な案件から見えなくなる。
そこでSalesforceでは、案件がどの段階にあるかをカンバン方式で管理している。さらにCRMに内蔵されたAIへ「滞留している案件は?」と日本語で問いかける。これだけで、どこで止まり、次に誰が何をするべきかを確認できる。
案件名だけでは、止まっている理由が分からない
CRMへ案件を登録するだけでは不十分だ。
必要なのは、案件の状態を分けることだ。例えば、見積作成前、外注見積中、見積提出済み、顧客返答待ち、受注、失注。状態が分かれていれば、案件の一覧を見ただけで仕事の詰まりが見える。
同じ「未受注」でも、対応は異なる。
- 外注見積中なら、外注先へ確認する
- 見積作成前なら、社内で原価と工程を確認する
- 見積提出済みなら、提出日と回答予定日を見る
- 顧客返答待ちなら、リマインドする時期を判断する
- 技術確認中なら、現場または品質担当へ確認する
案件の状態と次の行動が記録されていなければ、AIへ聞いても答えは出ない。AIを使う前に、案件ステージ、担当者、最終更新日、次の行動をCRMへ残す必要がある。

\n\n
「滞留している案件は?」と日本語で聞く
案件がCRMへ整理されていれば、複雑な集計表を作る必要はない。
「14日以上動いていない案件は?」
「外注見積待ちで止まっている案件は?」
「見積提出後、顧客へ連絡できていない案件は?」
こうした質問を日本語で行い、対象案件を一覧にする。重要なのは、AIが案件を勝手に判断することではない。人が確認すべき案件を漏れなく取り出すことだ。
次の行動までCRMへ記録しておけば、事務担当者でも確認やリマインドを進められる。営業経験のある一人だけが全案件を覚える必要はなくなる。
営業会議前の集計作業は、ほぼゼロにできる
以前の営業会議では、担当者が記憶をたどりながら案件の状況を説明していた。
「これは見積を出したはず」
「外注先からまだ返事が来ていない」
「お客様へ連絡したか確認する」
この状態では、会議の時間が事実確認だけで終わる。対策を決める時間が残らない。
CRMのカンバンとAIによる抽出があれば、会議前の集計作業はほぼゼロになる。会議を始めた時点で、外注見積中なのか、顧客返答待ちなのか、どの案件が長く止まっているのかが分かる。
会議で話すべきことは、案件の現在地ではない。
どの案件を優先するか。誰が顧客へ連絡するか。技術的な提案を追加するか。価格や納期を再検討するか。失注の可能性が高い案件をどう扱うか。会議を確認の時間から、判断の時間へ変える。
AIより先に、更新ルールを決める
CRMのAIを導入しても、案件情報が古ければ誤った一覧になる。
案件を作成したら、必ず現在のステージを設定する。見積を提出したら提出日を記録する。顧客へ連絡したら次回確認日を設定する。失注したら理由を残す。誰が、どのタイミングで更新するかを決める。
営業人材が少ない会社ほど、案件管理を個人の記憶から会社の仕組みへ移す必要がある。
AIが効くのは、営業会議をなくすことではない。会議で事実確認を繰り返す時間をなくし、次の一手を決められる状態を作ることだ。
