
金属加工会社とIT会社を経営している。
2004年ごろ、IT会社を立ち上げて最初に覚えたのは、ホームページの作り方と、当時まだできる人が少なかったSEOだった。
理由は単純で、家業の金属加工会社を支えてくれた職人たちのために、仕事を取ってきたかったからだ。
この記事では、20年以上ホームページとSEOを続けてきた中で分かった、営業マンのいない町工場がWebで集客するための考え方をまとめる。
最初は、まったく結果が出なかった
ホームページを作れば問い合わせが来る。そんな甘いものではなかった。
最初は、まったく結果が出なかった。それでも続けるうちに、少しずつ検索から見つけてもらえるようになった。
検索から見つけてもらえるようになると、来るお客様が変わっていった。そして、利益の出る仕事が増えていった。
町工場の仕事は、紹介や地域のつながりで決まることが多い。それ自体は大切な関係だが、それだけでは出会えるお客様の範囲が限られる。検索は、こちらを知らなかった会社が、困った時にこちらを見つけてくれる入口になった。
今では、上場企業から直接問い合わせが来る
今では、名だたる上場企業の方から「こんなことできませんか?」と問い合わせが来る。年に数回だが、こちらから営業したわけではなく、向こうから見つけてくれた相談だ。
営業マンがいない町工場でも、ホームページは24時間、営業してくれる。
Webと展示会で、地元の外から相談が来るようになった
Webや展示会で集客するようになってから、地元の外からの相談が増えた。最近は、営業車より新幹線や飛行機での訪問が増えている。
外へ出るほど、全国で通用する技術と、まだ足りない営業・設備・技術の両方が見えてくる。地元を大切にしながら、外から仕事を取る。その循環の入口になっているのが、ホームページだ。
町工場のホームページに載せたい情報
20年以上続けてきて、町工場のホームページに必要なのは、見た目の派手さより「探している人に見つけてもらえること」と「見つけた人が相談できると判断できること」だと考えている。
具体的には、次のような情報を載せておきたい。
- 保有設備の種類と大きさ(加工できる最大サイズ)
- 得意な材質、得意な加工内容
- 加工事例と、その時の課題・工夫
- 実際に機械が動いている写真や動画
- 品質保証や検査の体制
- 対応できるロット(1個からか、量産か)
- 問い合わせの方法と、図面がなくても相談できるか
大手の購買担当者や設計者は、困った時に検索して加工先を探すことがある。その時に、自社の技術が具体的に書かれていなければ、候補にすら入らない。
お客様が検索する言葉で書く
SEOというと難しく聞こえるが、町工場にとって大事なのは、お客様が検索しそうな言葉で、相談内容に答えることだ。
お客様は社名ではなく、「大型部品 加工」「門型マシニング 加工 依頼」のように、困りごとや加工内容で探す。自社の呼び方ではなく、お客様の言葉で書く。そして一度作って終わりにせず、加工事例や設備の情報を更新し続ける。
動画とSNSは、ホームページの入口を増やす
ホームページだけでなく、動画やSNSも集客の入口になる。
弊社のメルマガでは、クリック上位4件がすべてXの投稿とYouTube Shortsだった。設備名や会社概要を並べるより、実際に機械が動いている様子の方が、次の行動につながっている。詳しくは「製造業のメルマガ、クリック上位は会社案内ではなく加工動画だった」にまとめた。
集客は、測って改善する段階へ
ホームページは続けるほど資産になる。そして今は、閲覧数やフォーム送信までを数字で確認できる。
2025年第3四半期には、Webサイト閲覧3,620、ブログ閲覧117、フォーム送信92という数字を確認した。見られた数だけでなく、問い合わせ、商談、受注までつなげて見ることで、次に何を改善すべきかが分かる。その方法は「製造業サイト3,620閲覧・92フォーム送信から考える、集客を受注まで測る方法」で紹介している。
営業マンのいない町工場こそ、ホームページを育てる
最初は結果が出なくても、検索から見つけてもらえる状態を作り、続けること。
- 設備・材質・加工事例を、具体的に書く
- お客様が検索する言葉で書く
- 写真や動画で、実際の加工を見せる
- 更新を続ける
- 閲覧・問い合わせ・受注までを数字で確認する
営業担当者を何人も置けない町工場にとって、ホームページは今でも最も頼りになる営業担当だ。
ホームページへの入口を増やすメルマガと動画の反応は「製造業のメルマガ、クリック上位は会社案内ではなく加工動画だった」で詳しく書いた。
