
製造業のメルマガは、送ること自体が目的になりやすい。
配信件数や開封率を確認して終わり、その後の営業につながったかどうかまで追えていない会社も多いのではないだろうか。弊社では、HubSpotで配信結果とクリックされたリンクを確認し、どこで顧客の反応が止まっているのかを見るようにしている。
この記事では、金属加工会社として実際に配信したメルマガの数字をもとに、クリックを集めた内容と、反応が止まった回の違い、そして次の営業へつなげる方法をまとめる。
670件配信して、クリック上位4件はすべてSNSと動画だった
加工事例を紹介したメルマガは、670件へ正常に配信された。
クリックされたリンクの上位を確認すると、次のようになっていた。
- Xの投稿:12クリック、11クリック
- YouTube Shorts:8クリック、6クリック
上位4件は、すべてSNSの投稿と動画だった。

設備名や会社概要を並べたページより、実際に機械が動き、加工している様子の方が、読み手の次の行動につながっていた。
なぜ製造業のメルマガは「動画」が強いのか
製造業の技術は、文章だけでは伝わりにくい。
- 設備がどれくらい大きいのか
- どんな形状のワークを削っているのか
- 切削の迫力や、加工面の仕上がり
- 段取りや加工の流れ
こうした情報は、数秒の動画の方が早く伝わる。メルマガの本文で「大型部品の加工に対応しています」と書くより、実際に門型マシニングセンタが大物を削っている映像を見てもらう方が、技術の中身を想像してもらいやすい。
動画は広告素材というより、技術を短時間で理解してもらう営業資料として使えると分かった。
配信できたことと、顧客が動いたことは別
一方で、別の期間の数字も確認した。2026年5月27日から6月26日までに配信したメルマガ2通は、次の結果だった。
- 送信:680件
- 開封率:15.05%
- クリック率:3.58%
- 開封した人のうちクリックした割合:23.76%
- 返信:0件
参考として、2025年第3四半期のマーケティングメールは、平均開封率34.5%、平均クリック率6.3%だった。期間も内容も違うため単純な比較はできないが、配信できたことと、顧客が動いたことはまったく別だと分かる。
同じ四半期には、Webサイト閲覧3,620、ブログ閲覧117、フォーム送信92という数字も確認している。メルマガ単体ではなく、Webサイトやフォームまでつなげて見ることで、集客から問い合わせまでの流れが見えてくる。詳しくは「製造業サイト3,620閲覧・92フォーム送信から考える、集客を受注まで測る方法」にまとめた。
メルマガは「どこで反応が止まったか」で改善する
数字を見る時は、送信数ではなく、反応が止まった場所を探す。
- 開封されないなら、件名と配信対象を見直す
- 開封後に動かないなら、本文の内容とリンク先を見直す
- クリック後に問い合わせがないなら、着地するページを見直す
弊社の場合、加工の様子が分かる動画やSNS投稿へのリンクが最も反応を集めた。そこで、メルマガは会社案内を伝える場ではなく、実際の加工を見てもらう入口として設計する方がよいと考えている。
反応があった強みは、紙や商談でも繰り返し伝える
メルマガで反応を確認することは、自社の強みのどこが響くかを知ることでもある。
以前、年賀状に加工の強みを載せたところ、既存のお客様から「それもできたのか」と声をかけていただき、大きな商談につながったことがあった。
そこで同じ内容をA4一枚にまとめてカタログへ封入し、新規営業でも毎回その強みを話すようにした。すると、同じ種類の案件が増えてきた。
お客様は、知らない強みには相談できない。長く取引しているお客様でも、こちらが何をできるかを全て知っているとは限らない。
メルマガ、SNS、YouTube、紙、商談。チャネルは違っても、反応があった強みを繰り返し伝えることで、初めて市場に認識される。
製造業のメルマガを営業につなげるポイント
専任の営業担当が少ない製造業ほど、メルマガは既存顧客との接点として役に立つ。ただし、送るだけでは成果にならない。
- 配信結果を、件名・本文・リンク先・問い合わせまでの流れに分けて確認する
- クリックを集めた素材(動画、加工事例)を次の配信の中心にする
- 反応があった強みを、紙のカタログや商談資料にも展開する
- Webサイトの閲覧やフォーム送信と合わせて、受注までの流れで見る
数字を見ることで、自社の技術がどう伝わっているかが分かる。メルマガは、その確認と改善を繰り返すための道具だ。
メルマガやサイトの反応を、受注・失注データと合わせて分析した事例は「SalesforceとGA4をAIで分析し、次の営業施策まで決めた方法」で紹介している。
