問い合わせが増えたのは、文章が速くなったからだけではない。AI音声入力で下がった最初の一歩

問い合わせが増えたのは、文章が速くなったからだけではない。AI音声入力で下がった最初の一歩
問い合わせの手間を下げると声をかける相手が増える:話して指定する、問い合わせ文になる、夜でも送れる、送る数が増える

取引先への問い合わせの手間が、体感で3分の1から5分の1になった。フォームやメールの文章を作る速さも、以前より上がったと感じる。どちらも実測ではなく、自分の感覚だ。

でも、変化は速さだけではなかった。今まで後回しにしていた相手へ、自分から問い合わせるようになった。送る数も体感では増えている。ただし、受注が同じ割合で増えたという話ではない。

文章を頼む前にも、説明の仕事があった

もともとメールが苦手で、最初の問い合わせは事務員さんに頼っていた。『ここに問い合わせて』『こんな感じでまとめて』と伝えて文章にしてもらう。

ただ、その説明にも仕事の背景が必要になる。何を相談したいのか。なぜ相手を選んだのか。どこまで情報を出してよいか。文章を代わりに書いてもらえば、判断まで消えるわけではなかった。

今はTypelessを使い、伝えたい中身をまず話す。得意なこと、前提条件、相手を選んだ理由、まだ出したくない情報。自分の判断を先に言葉へ出せるようになった。Typelessを使い始めた経緯は「考えがまとまる前にAIへ話す。Typelessで経営判断の初速が変わった」で書いている。

機密をAIへ話すことと、送信文から外すことは別

ここは使い方として区別したい。『この情報は相手へ出さないで』と指示すれば、どんな秘密でもAIに渡してよいわけではない。

利用するサービスや会社の扱い方を踏まえ、そもそも入力してよい情報かを先に判断する。入力できない情報は、固有名や内容を伏せ、必要な相談の構造だけを伝える。完成した文章も、送信前に自分で確認する。

伝えない判断を、文章の整形と一緒に丸投げしない。ここは、手間が減っても残す仕事だ。

手間が下がると、候補から外していた相手が戻ってくる

電話がつながりにくい相手や、窓口がフォームしかない相手はいる。以前は、連絡文を作る手間で後回しになった先もあった。

今は仕事の後など、自分が手を付けられる時間に用件を整理し、連絡できる。これは相手が夜間に対応してくれるという意味ではなく、こちらの準備が相手の営業時間だけに縛られなくなったという変化だ。

送信数を増やすこと自体を目標にはしたくない。大事なのは、連絡の手間のせいで検討から外していた、相談する価値のある相手へ届くことだ。相手を絞って声をかけ、仕事につながった例は「ABM(アカウントベースドマーケティング)を試してみたら、2週間で1000万の仕事につながった話」にまとめた。

入口の一通は、相手が判断できる情報に絞る

同じ使い方を試すなら、最初に話す内容を四つに絞ると始めやすいと思う。『なぜ御社なのか』『何を相談したいか』『判断に必要な前提は何か』『次に何を返してほしいか』だ。

詳しい事情を全部入れるより、対応可否を判断できる入口を作る。図面や固有情報が必要になったら、秘密保持や送付方法を確認して次へ進む。最初から資料を詰め込むことと、相談しやすくすることは同じではない。

返事と次の行動まで見て、使い方を直す

文章が早く作れるほど、送ることが終点になりやすい。だが、営業で見たいのは、その先だ。返答が来たか。こちらの相談内容が伝わったか。追加情報や打ち合わせへ進んだか。

返事がない理由を、すべて文章のせいにはできない。相手の対応範囲や時期が違う場合もある。それでも、同じ確認を毎回受けるなら、最初の前提説明を見直す材料になる。

AI音声入力で減ったのは、最初の文章を出す負担だった。残すべきなのは、相手を選ぶ判断と、何を伝えるかの判断。そこに集中できるようになったことが、問い合わせの機会を広げたのだと思う。

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